「センスがいい」という表現があります。
タテトヨコ代表としては、職業柄常にジャッジを受ける、避けて通ることのできない言葉ですが
デザインの領域にいなくとも、様々な世界に共通して「センスがいい」という言葉は使われます。
思うに、センスとはまず最初に「好きであること」。
これがセンスの大本(おおもと)だと思います。
だから、なるほど、センスには才能が関与しているというのも間違いではありません。
デザインにしろスポーツにしろ何にしろ、対象を本能的に「好きである」才能。
「好きであること」からセンスははじまるからです。
しかし、このはじまりはあくまで「はじまり」に過ぎません。
好きであればセンス良くできるか。
実際、一部の天才はすぐにできてしまうのかもしれません。
でも、多くの「センスのいい人」ははじめからセンス良くできているのではないと思います。
たとえばデザインを例に挙げてみます。
何かのデザインをつくる際、突然制作をはじめて一発でぱぱっと仕上がる、なんてことはほぼありません。
まず最初に、これからつくるものに近い事例のデザインを収集します。
自分がいいと思うものを、できるだけたくさんたくさん、探します。
探す中で、少しずつこれから自分がつくるデザインのイメージを固めていきます。
そしてイメージが固まったら、文字の置き方やスペースのあけ方など、
細部もいろんな事例を見て測って研究したり、いろんなパターンを試してみながら
トライアンドエラーを繰り返し少しずつつくっていきます。
わからないことがあればその都度いろんな事例を調べて、研究します。
(もちろん、特定の誰かのデザインをそのままパクる、なんてことはしませんよ。)
良いデザインをつくるには、
良いデザインをできるだけたくさん見ること。
そして、それらが何故「良いデザイン」なのか考えること。
自分なりに答えを見つけていくこと。
これがとても重要だと思います。
探したり研究したりを自然とできるのは、やっぱり「好きであること」が大きいと思います。
だから、センスが良い人とは、「好き」を発端に
自発的にどんどん研究して、更にいいものをつくっていける人。
それはほとんどが努力によりつくられるもので、
決して、才能で片付けられるものではないと思います。
これが、タテトヨコ代表の考える「センスの正体」です。
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